翻訳プロジェクト

アメリカの刑務所アートについて書かれたNicole R. Fleetwood著 ”Marking Time :Art in the Age of Mass Incarceration”(2020, Harvard University Press)の翻訳勉強会を月1で行います。スケジュールは以下の通りです。参加希望の方は次のアドレスにご連絡ください。

Mail:prisonart.jp@gmail.com (担当:風間)

本書の紹介

現在、米国では200万人以上の人々が刑務所に入れられています。投獄された人々は、家族や地域社会から引き離されるだけでなく、過度な剥奪や虐待にさらされ、刑事司法制度の恣意的な残酷さにさらされることになるのです。しかし、ニコール・フリートウッドが明らかにしたように、アメリカの刑務所はアートで満たされています。隔離され、劣悪な環境に置かれているにもかかわらず、投獄された人々は、自分たちの人間性を否定する制度に直面し、自分たちの人間性を主張するようになるのです。

本書は、現在および過去に投獄されたアーティストへのインタビュー、刑務所訪問、そして著者自身の家族による刑罰制度の体験に基づき、投獄された人々がいかに普通のものを精巧な芸術作品に変えていくかを描いています。わずかな物資と独房などの過酷な環境の中で、アーティストたちは刑務所が生み出す残虐性と卑劣さに抵抗する方法を見出しています。彼らの芸術がもたらす影響は、刑務所の塀の外にも及ぶとフリートウッド氏は指摘します。彼らの大胆な作品は、その多くが本書で初公開され、アメリカ美術の新たな可能性を切り開きました。

アメリカの刑事司法制度を変革する動きが高まる中、アートは受刑者に政治的な発言力を与えています。彼らの作品は、アメリカの刑罰を支える経済的、人種的な不公正を証言し、21世紀の新しい自由のビジョンを提示しているのです。

Harvard University PressのWebサイトより

スケジュール

8月Introduction
8月Chapter1 Carceral Aesthetics: Penal Space, Time, and Matter
9月Chapter2 State Goods: Clandestine Practices and Prison Art Collectives
9月Chapter3 Captured by the Frame: Photographic Studies of Prisoners
10月Chapter4 Interior Subjects: Portraits by Incarcerated Artists
11月Chapter5 Fraught Imaginaries: Collaborative Art in Prison
1月Chapter6 Resisting Isolation: Art in Solitary Confinement
2月Chapter7 Posing in Prison: Family Photographs, Practices of Belonging, and Carceral Landscapes
3月Conclusion

勉強会の進め方

主催者より翻訳の草案を提示し、参加者よりコメントをもらう。