刑務所アート展 活動記録 Inter7の皆様からのメッセージ

Inter7の皆様からのメッセージ

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刑務所アート展に寄せて

阿部恭子さん(NPO法人WorldOpenHeart理事長)

「受刑者たちが見つめた過去、現在、未来。閉ざされた空間と限られた方法の中で生まれる創造力、表現力、受刑者たちの葛藤を感じることは、刑務所という未知の世界を知る第一歩。
日常では気づくことのない、新たな発見がある」

荒牧浩二さん(オークス・奥本章寛さんと共に生きる会)

「どこの世界にも善い人・悪い人、好かれる人・嫌われる人。いろんな人がいて記憶・追憶、後悔、希望や悩み、焦燥感、絶望感など抱えて生きています。 誰も一緒です。刑務所アート展。
刑務所という特別な場所で己に向き合わざるを得ない時、巧拙を超えて、それらの思いは色濃く凝縮されて表現されるような気がします。だからそれぞれの作品は、見るものの日常に迫ってくる何かがあるような気がします。
私の場合はそうでした。塀の中と外。それもたまたまの違いでしょう。
我々が日常の中で置き去りにして、忘れている大事な何かを思い出させる力が、
これらの作品群の中にきっとあると思います。
この困難な企画を現実の形にして、一つ一つの作品に出合わせてくれた皆さんに感謝します。
是非ゆっくりご鑑賞ください」

五十嵐弘志さん(NPO法人マザーハウス理事長)

「刑務所を問わず何かを描くことは誰かに見てもらいたい、知ってもらいたいと思うのではないでしょうか?この展覧会を通して刑務所という場所にいる方の心の声(叫び)を聴いていただきたいです。また、刑務所関係のことも知って欲しいです。そして絵画を通して人と人との出会い、対話が出来ればとてもうれしいです。みなさん、お願いがあります。皆様の声も是非、お聞かせください。宜しくお願い致します」

片山徒有さん(被害者と司法を考える会代表)

「刑務所というところはどんなところだろう。一般の方は想像もつかない世界がそこにはあります。更生するための施設とは言っても制限も規則も厳しく、毎日が常に自分との向かい合いの日々ではないだろうかと思います。そのような中で受刑者の皆さんがどういった気持ちで作品を作られたか想像しながらご覧下さい。一点ずつの作品には彼らの人生が込められています。更生は更に生きると書きます。彼らが生きている世界は私たちと同じ社会です。やがてどこかで出会うかもしれない彼らの歩む未来が明るいことを期待したいです。」

原田正治さん(Ocean 被害者と加害者の出会いを考える会)

「数多くの出展者が寄せられました。厳しい制約の下にもかかわらず、これだけの作品が寄せられたと云う事は、詩、川柳、絵画、短歌において何らかの形で今の自分を表したいと思うからでは無いでしょうか?それらの作品の、それぞれ裏に隠された部分には、謝罪があり、叫びであり、そして悲しみがあると思うんです。魂の叫びだと思います。そしてそれらをどう捉えるのか?どう解釈したら良いのか?いずれにしても、こうした表現展を通して、出展者とそれをご覧になって下さった方々との架け橋になって頂けたら幸いです。」

柳川朋毅さん(イエズス会社会司牧センター)

「“罪を犯した人が作文やお絵描き!? そんなことは「贅沢」で「無駄」だ、そんなことより反省に専念しろ!”と、思う人もいるだろう。
けれども、かれらの創作活動は、決して単なる「趣味」でも「暇つぶし」でもない。
社会の中で「犯罪」という形でしか自己を表現できなかったかれらは今、塀の中で、新しい形で自らの思いを、苦悩を、葛藤を、そして願いと希望を表現しようとしている。
確かに、洗練された技術ではないだろう。使える道具や画材も極めて限られている。それでも、かれらは社会に向けて声を放った。
その叫びは、誰にも聞かれることなく虚空をさまようのだろうか。それとも、社会の中でそれを受け止める人がいて、「対話」や「交流」が始まるのだろうか。
非常に実験的な試みだが、きっと新しい何かが生まれることを期待したい。問われているのは、かれらの技巧ではなく、わたしたちの社会なのだから。」

弓指寛治さん(画家)

「刑務所の中がどのような世界なのか僕はほとんど知りません。
それどころかこれまで興味を持ったこともなく過ごしてきました。
今回の刑務所アート展をきっかけに塀の中から送られてきた作品たちには色々な背景があり、
上手いもの、下手なもの、キレイなもの、
ユーモアが感じられるもの、メッセージ性が強いものなど様々でした。
「見てほしい」という、そのものがあると僕は感じました。
創作物としての技巧ではなく、まず見たい、と思っています。」

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