刑務所アート展 イベント 2023年2月17日〜3月5日「刑務所アート展」開催

2023年2月17日〜3月5日「刑務所アート展」開催

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塀の内と外との交流型公募展プロジェクトでは、NPO法人マザーハウスの協力のもと、全国の受刑者から詩や短歌、俳句、川柳、エッセイ、書、絵画などの文芸作品を募集し、その表現を介して見えない塀の向こうへと想像をめぐらす機会となる刑務所アート展の開催を目指し活動してきました。このプロジェクトの初回として今回は、作品の募集にあたり「私の大切な時間」を課題作品のテーマとしました。応募者それぞれが過去・現在・未来の「時間」と向き合い、時間をかけて制作された力作が多く集まりました。(応募作品は、こちら から閲覧できます。)

また、加害/被害を問わず、犯罪により傷を受けたあらゆる人々の支援を目指す団体Inter7の協力も得ながら、さまざまな対話の場を開いてきました。その中で、弟さんを殺害された被害者遺族として、その加害者である長谷川敏彦さん(当時の死刑囚)と対話を続けてきた原田正治さん、その原田正治さんの活動に影響を受け、奥本章寛さん(死刑囚)を支える活動をされてきた荒牧浩二さんとの出会いがありました。

今回の展示では、受刑者から応募された作品に加えて、長谷川敏彦さんと奥本章寛さんの絵の展示も予定しています。長谷川敏彦さんはすでに死刑が執行され亡くなっています。その絵は原田正治さんや当時の支援者により保管され10年以上眠ったままでした。奥本章寛さんは色鉛筆で絵を描き、荒牧浩二さんの支えもあって絵葉書やカレンダーとして販売し、その収益を被害者への弁済にあててきました。しかし、2021年2月の法務大臣訓令により、色鉛筆の使用が認められなくなり、現在その使用を求めて「色鉛筆訴訟」を起こしています。

塀の内の限られた自由の中で、それでも表現に取り組み、塀の外からその表現を支え向き合う人々がいます。私たちもまたこの塀の内と外との時間をかけた交流を通して、司法の場では語り得ないこと、築かれ得ないかもしれない関係性と対話の回路を探るべく、本展を企画しました。

企画代表:風間勇助、展示構成・設営協力:弓指寛治、インストーラー:玉置真
設営協力:BARBARA DARLINg

チラシ

日時:2023年2月17日(金)〜3月6日 5日(日) 12:00-18:00
※展示最終日は3月5日(日)です
※月・火は休廊、入場無料

場所:KOGANEI ART SPOTシャトー2F 

★駅からギャラリーへの案内(写真付き)★
東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井 2F
JR中央線武蔵小金井駅南口から徒歩5分

①JR武蔵小金井駅南口を出て、ロータリー左手の商店街を直進します。
②向かい側にセブンイレブンがある十字路にぶつかったら、右に曲がります。
③まっすぐに歩くと通り沿い右手にシャトー小金井が見えてきます。バス停の前、小金井市観光まちおこし協会の左隣、白のトビラから2階へ上がってください。

関連イベント

トークイベント「作家と見る刑務所アート」
弓指寛治(画家)、五十嵐弘志(NPO法人マザーハウス理事長)によるトーク。
2023年2月23日14時〜17時、四ツ谷駅近く「ヨセフホール」にて。
詳細は こちら

New! 本展に寄せてInter7のみなさんからメッセージをいただきました

刑務所アート展に寄せて

主な展示作品

作品名不明
作品名不明

(企画者による説明)本作は応募用紙もなく、一枚の絵だけが入った状態の封筒が届いた。画面左上に見えるのは、作業服の袖だろうか。古びた畳は、実際の古い刑務所の居室を思わせる。しかし、居室に花があるはずはなく、この鮮やかな花だけが想像上で描かれたものと思われる。

浦島太郎《シロチドリ》
浦島太郎《シロチドリ》

(作者による作品説明)自然は私たちに多くのものを与えてくれます。「花鳥風月」という言葉に表されるような四季おりおりの自然や風物を眺め、人と共存する知恵を小鳥たちは身につけています。三重県の鳥にしていされている「シロチドリ」は、神様が発見した貴重な鳥で、人の心をすごく和み、そして癒してくれる不思議な鳥に耳を傾ける姿を見出すことができれば幸いです。

恵里《春の山下公園》
恵里《春の山下公園》

(作者による作品説明)地元の一番好きな場所を思い浮かべて描きました。沢山の花がとてもキレイに咲き乱れる時でもあるので、表現がとても難しかったんですが、何度目かにようやく完成できました。
右手が不自由ですので、左手で仕上げたのですが、何度もあきらめようとして、自分と戦いました。やってみて良かったです。

おたふく」《無題1》《無題2》《無題3》
おたふく《無題1》《無題2》《無題3》

(企画者による説明)それぞれの絵はボールペン1本で描かれている。刑務所で使うことができるボールペンは黒・赤・青のみであるため、それぞれの色が使われている。

詩や短歌、俳句、エッセイなどは、手にとっていただきながらご覧いただけます。
応募作品の全ては、以下のページからも閲覧できます。

長谷川敏彦《地車祭》,2000.7.28
長谷川敏彦、肖像画(コピー)
奥本章寛

(企画者による説明)奥本さんの絵には相撲の絵が多い。奥本さんの祖母に宛てた手紙にも、相撲の話題と共に力士のイラストが添えられている。拘置所内でもラジオを聞くことができ、相撲中継を聴きながら描いていたと思われる。